当てはまる項目の数が多いほどアダルトチルドレンである可能性が高いです。アダルトチルドレンとは、特定の生きづらい行動や思考のパターンのことで、子ども時代に過ごした安心感が欠如した環境=親子関係に起因します。
親の情緒不安定/依存症/精神病、虐待、秘密主義、過干渉、失敗が許されない環境、過度に前向きで弱さやネガティブが否定される環境・・・etcによって、子どもとして受けるべきケア、与えられるべき安心感を十分に与えてもらえなかった子ども時代を過ごしたアダルトチルドレン。
無邪気に自由に自分を表現する当たり前の子供時代を過ごす代わりに、感情を抑え、すべきことをこなし、親や兄弟の世話をし、家庭内の問題を世間から隠すことに力を尽くしてきました。
親からの愛や承認の供給は一貫性が無く不安定だったため、どんなに良い子でいても愛されず、承認も与えられないこともあったはずですが、自分が正しくあれば愛されると信じることで自分を保ってきました。そして、愛されないのなら、承認されないのなら、それは自分に非があるからだと捉えるようになりました。そのため、他者の評価にとても敏感です。
感情を抑える癖は大人になっても残り、感情はマヒします。それに加え、強く持続的な緊張感の中ですべきことをこなす生き方は人生から彩りを奪い、ふと気づけば心の奥を空虚感が漂います。
感情を抑えるということはあるがままの自分を否定することと同じです。自分が自分であるだけで罪悪感がわき、恥の感覚を抱くようになります。世間から隠さなくてはいけない家庭状況もあなたの罪悪感や恥の感覚を強めました。当然、自己肯定感は低下します。本当の自分を出せば他者から見捨てられるだろうと不安を抱きます。そこで、子ども時代からしてきた「自分を抑えてすべきこと優先する生き方」で他者に尽くし、認められようと頑張ります。
完璧をキープすることで不十分で不出来な自分を補おうともするかもしれません。この場合、育った家庭環境の慣習的にも、自己肯定感が低い自分の現状的にも、失敗は許されないため、失敗への恐怖が肥大化し、先延ばし行動が増えることもあります。
アダルトチルドレンが抱える生きづらさは深刻ですが、正式な診断名ではありません。そのため、アダルトチルドレンの生きづらさが精神科医療の直接的な治療ターゲットになることはありません。アダルトチルドレンが精神科医療の対象となるのは、その生きづらさから二次的に生じた症状(うつ、不安障害、心身症、睡眠障害、摂食障害、依存など)が悪化した場合です。ただし、この場合も、治療ターゲットはあくまでも二次障害の方であるため、根本にあるアダルトチルドレンの生きづらさには効果が望みにくく、二次障害が繰り返されてしまう可能性があります。二次障害を繰り返さないためにも、生きづらさをもたらすアダルトチルドレン特有の思考や行動のパターンの改善が必要なのです。
ところが、ここで再び立ちはだかるのが、アダルトチルドレンが正式な診断名ではないということです。妥当性や信頼性の高い真っ当な学術団体ほど直接的な研究対象としてアダルトチルドレンを取り扱わないのです。そのため、アダルトチルドレンの生きづらさを緩和する方法に関する効果研究は不十分であり、信頼性の高い機関から正式に推奨されている介入方法も未だに存在しないのです。
この現状を逆手に取ったビジネスも多く、SNSを少し覗けば、アダルトチルドレンをターゲットにした高額な講座や数か月にパッケージ化された高額なセラピーが数えきれないほど存在します。そういったビジネス寄りのセラピーや講座ほど、根拠として学術研究を列挙するのですが、学術団体の規模/信頼性/妥当性に疑問が残ったり、セラピスト本人に学術的バックグラウンドが無いことが殆どです。
アダルトチルドレン=幼少期からの親子関係に起因する特定の行動や思考のパターンのことです。行動や思考のパターンの中でも幼少期から続く親子関係を通して確立されたものは、世界、自分、他者、対人関係を理解/予測するためのひな形になります。これを変えるとなれば、相当の時間と努力を要することは想像に難くないはずです。また、他の誰かに効果があった特定の方法を一辺倒に適用すれば良いはずもありません。冷静な判断が求められています。
心理教育は、どんな精神疾患にも有効です。ACの方も、まずは自分の傾向に気付き、学ぶことをお勧めします。このホームページにたどり着いたことも回復に向かう大きな一歩です。長い間、自分以外の誰かや場の空気を優先して生きてきたあたなには、セルフケアの方法を見つけ、磨くこともお勧めします。好きなことを見つけ、自分で自分を労わり、満たすことを許可してあげてください。自分以外の誰かにささげてきた生き方を見直すために、生活習慣も見直しましょう。何をするにも、大切なのはあなたの感情と身体の感覚です。感情や身体感覚を認識する力を強化するカウンセリングは医療等の公的機関でもメジャーな介入です。
アダルトチルドレンの研究があまり進んでいないとしても、行動や思考のパターンを変えるには、認知の書き換えが必要だというのは臨床心理学の常識です。認知の書き換えには、高額なのに根拠が曖昧なメンタルヘルスビジネスの講座をわざわざ購入する必要は全くあません。無数の効果研究で有効性が認められていて、医療や公的機関でも使われている認知行動療法を用いることが最も賢明な選択です。SmileStoneでは、臨床心理士を要請する大学院の中でも、認知行動療法の中心的な研究機関として認識されている大学院で学んだカウンセラーがカウンセリングを担当します。
行動や思考のパターンの変容に抵抗するのが、子供時代の未消化な感情や体験=インナーチャイルドです。過去の未消化な気持ちを消化するためには、自分自身からも長年に渡って無視され続けてきた心の奥底に封印された気持ちを見つけ出し、解放しなくてはなりません。今ここの生活で揺れ動く気持ちを頼りに、過去に封印された気持ちにアクセスし、解放へ導くことができるのもSmileStoneのカウンセリングの強みです。